逆腹式呼吸の練習方法

逆腹式呼吸(背式)・・腹式呼吸・胸式と違います。逆腹式呼吸の仙骨に意識を集中するやり方です。

まず、胆式の練習・この呼吸法の練習方法として胆式というのをやります。逆腹式呼吸という武術ならではのすごく優れた呼吸法です。呼吸で一定の腹圧を作る訓練です。

吸気の練習と漏気の練習

①足を閉じてゆっくりと手のひらを上向きに翻しながら脇の下まで手のひらを持ってきます。ここまで息を吸う動作です。

逆腹式呼吸ですが、肺を膨らませるイメージではなく、横隔膜をおなかに下げていきながら胸郭を広げる感じです。おなかがぎゅーと圧縮され、おなかの裏側背中に圧力がかかります。おなかの圧力が増します。呼吸を意識するよりも動きと呼吸が一致し、丹田が小さく縮むイメージを持ってください。深呼吸と同じですが、肺を広げるのではなく、横隔膜を下げ、胸郭を広げます。平均3㍑はあるといわれる予備吸気です。

②脇の下まで吸いきったら、手をもう少し外に翻しながら肩を上げず後ろへ引き、よりおなかに圧力を加え胸郭を最大に広げてください。あくまで動きにつられて吸気します。深呼吸よりも深い吸気になります。 このより深い深呼吸は体の末梢まで酸素を送り届けるエネルギーとなり、体の生体活動を活性化します。その上翻したときに次の排気のための弾性すなわち、均衡反射を生みます。均衡反射は人間のホメオスタシス、完全なる健康の状態に戻る力を呼び戻します。これが漏気(ろうき)といわれる太極拳の無極動作です。ここが武術の呼吸動作といわれる、均衡反射です。

■呼気の練習と漏気の練習

③手を上に向けたまま脇からゆっくりと腰(太極拳の腰は上腹部の柔らかいところです。肺の切れ目)までおろしていきます。横隔膜を緩和させる感じです。 より強く通常の基準値に戻ろうとする力を利用して、排気を始めます。それが、呼吸と共に鋭い動作を生みます。これから、ゆっくりと長い排気を行います。多くの武術でも勘違いされていますが、医学的には横隔膜は排気の時に緩和してドーム上に上昇し、吸気の時に収縮して下降します。鼻からゆっくりと少しずつはきます。出来るだけ長い方が良いです。

④そしてウエストのところで吐ききってください。その時に下腹が膨らむ感じで丹田の中に大きなエネルギーだまが出来ていくイメージです。腹腔が膨らみ圧力が高まることで胸郭が狭まる感覚です。この時の圧力は小さくなったときの圧力と膨らんだときは同じ圧力を保つようにします。

■漏気の説明

⑤手を下にだらんと落として残気を吐いてください。

ここから又漏気を使用します。はいているかはいていないか分からない排気です。実は予備呼気量を含めてここまでで平均1500ml程度しか排気されていません。まだ残気が平均1300ml肺の中に残っています。これを全部はいてしまうと肺はぺしゃんこになりますが、ここでも均衡反射を生むためにこの残気を吐けるだけ吐きます。吐ききったら同じく、均衡反射が生まれ、元の状態に戻ろうとしますそれが次の吸気を生みます。吸気が生まれたら腰に手を裏返して持ってきて、少し翻して吸って、一気に下に落とします。吐ききります。

■まとめ 上に手をあげながら吸い始め、翻して脇の下に持ってきて深呼吸をし、外に手を少しそらして、後ろに引きつけ漏気をもって吸気を行い、一瞬の振り子の錘が最高点で止まるような、実際は止まっていませんが、そんな感覚で次の排気を初めながら、ゆっくりと鼻から息を吐いてください。おなかを膨らませながら圧力を一定にしながら、腰まで手のひらを落として弛緩してください。吐ききったら、もう一度吐いて手のひらを上に上げて普通で吸って、普通で手を下ろしながら吐いて下さい。これが太極拳の呼吸法ですが、呼吸を意識するのではなく、動作によってその呼吸を行います。動作と呼吸は同じです。どちらも筋肉、横隔膜や呼吸筋などのインナーマッスルの運動です。

■逆腹式呼吸を使った発勁・・・咆哮

咆哮は腹式呼吸を使った胆式によって練習します。咆哮は、吐納法にある吐気による発勁です、その蓄勁は納気です。咆哮が出るようになると、その気合いのような吐気により、窓ガラスがびりびりと震えるほどになります。同時に気も発し、相手の心身にダメージを与え、虚を作ることもできます。戦わずににして相手を制す、太極拳の素晴らしい技です。
雷声と呼んでいるところもありますが同じものです。

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