太極の状態=カオスの縁にある創発の状態=ゾーンに入った状態(スポーツ用語)
今から1万2千年前に確立されていた最高の医学理論「シッダ医学」も、により、この状態を目指し、人々の健康を求めたものでした。現在においては、その理論は、全体は、各部分の算術的総和以上のものである、とする考えである「ホーリズム」という概念に受け継がれています。
武当派の楊式太極拳の根本には、太極理論がありますが、「ホーリズム」は実践論としての太極理論とも言えます。太極拳の養生理論を説いていくと、すべてこの「ホーリズム」と一致し、そこには、「太極の状態」を健康体として目指す養生論があります。武道としての太極拳においても、最小の力で総和の臨界的最適力を発揮することができる「太極方式」となっているのです。
振る舞いが秩序からカオスへ移るようなシステムにおいて、秩序とカオスの境界に位置する領域を「カオスの縁」といい、その領域に至ると、部分の性質の単純な総和にとどまらない性質が、全体として現れることを創発と言います。創発では、局所的な複数の相互作用が複雑に組織化することで、個別の要素の振る舞いからは予測できないようなシステムが構成されるのです。
太極拳はこの自然な状態を思い出すための、経験科学的な優れたメソッドなのです。
創発(以下ウィキペディア参照)https://ja.wikipedia.org/wiki/創発
カオスの縁(以下ウィキペディア参照)https://ja.wikipedia.org/wiki/カオスの縁
ホーリズム(以下ウィキペディア参照)https://ja.wikipedia.org/wiki/ホーリズム
シッダ医学(以下ウィキペディア参照)https://ja.wikipedia.org/wiki/シッダ医学
太極拳の神髄は太極ですが、いわゆる太極も人体における創発の状態なのです。導引法としての太極拳で「カオスの縁」の領域に至れば、人体や脳の神経系は創発との状態となり、心身に臨界点での最適な状態を得ることができるのです。