良く映画などで、敵の首をゴギッと回して、絶命させる技があります。
実際にやってみると分かりますが、(★★やってはいけません。★★ ゆっくりやっても首が捻挫するなど大変なことになります。ちゃんとした安全な練習方法があります)
そんな簡単にできるものではありません。相手の体がついてきます。
勁道は手揮琵琶です。
前から相手の頭を纒糸勁で抱き込むようにして、縮勁(しゅくけい:体を縮める時に生じる勁道)で耳の方へ両手の指先に気を送り、滑らしていくと、耳たぶの下のあごの骨の外側に、中指(他のどの指でもいいが、中指が自然)が自然と引っかかる。(ここまでの練習は、友人などを相手にすると、面白いようにうまくできるが、套路などで纒糸勁や、縮勁を練っておかないと、自然とは出来無い。)
その指が引っかかった急所が、翳風 (えいふう)です。兵法などでは独胡(月古)ともいいます。耳垂の後方で、少しへこんでいて、すっぽりと指が引っかかります。とても自然にです。
翳風 は三焦経という、交感神経の働きを調節したり、リンパ節などを活性化する経絡の経穴です。ここを優しく指圧すると、頭がはっきりしてきて元気が出ます。 逆にここが緊張している人は、イライラしたり、気分が落ち着かなく、高血圧、逆に緩和しすぎている人は、眠たくて、うつうつして、低血圧、こんな感じです。特に偏頭痛、突発性難聴などの原因にもなります。 髪の毛のつやはここの経穴が正常だとみるみる蘇ります。(詳しくは頭推按で)
この急所に、指が引っかかったら、組み付かれたときなら、そのまま白鶴亮翅の要領の採勢で投げ飛ばす(扌率角といいます)ことも出来ます。(こちらの方が相手に優しい・護身術として使用)
生死の境であれば、手揮琵琶の勁道ですこしひっかかったまま、後ろ手の方向へ円運動をしながら、首をねじて引き抜くような感じにして、指先に気を送ります。相手は耳を中心として頭の側面全体に強烈な痛みが走ります。
そのまま円運動をとぎれることなく反対側前の手の方に手揮琵琶の勁道で、八の字を描いて首を持ち上げて引き抜くようにしますと、全く力もいらず簡単に相手の首は折れます。寸前で止めると、重傷な捻挫です。 ★★絶対にやらないでください。★★
点穴術とはこの様に恐ろしいものですが、練習で、ちゃんとした先生についてゆっくりとやっても、まるで骨がないようにどんな強硬な首もふにゃふにゃになる感覚が分かります。
赤ん坊の首のようになります。
そのふにゃふにゃになる感覚を覚えておけば、自信がつきます。
点穴術はこの様にしてゆっくりと練習します。ゆっくり練習すると、とても健康に良く気持ちいいです。(紙一重ですので、良い先生についてやってください)
翳風 (えいふう)を少し押さえてみてください。自分では、そんなに痛くなりません。前から誰かにやってもらってください。引っかけて体重をかけて相手の体の方向に少し上に持ち上げてもらってください。死ぬほど痛いのです。
角度がとても大切です。これは、自分の体が一番知っているんですが。
他にも寝たふりをしていて、相手を倒す急所とか、山ほど有ります。 太極拳の点穴術はとても面白いです。しかし、恐ろしいです。
くれぐれも、勝手にしないでください。病院行きです。