太極拳は套路や散手などでゆっくり練りますが、その密度がバネになって、驚くほど速い動きが出来るようになります。
自然の理を利用して動く太極拳は、考えるよりも早く動きます。
ゆっくり動くのはその考えると言うよりも,深いところにある動きを見つめる意味もあります。
本当の達人はとてもとてもゆっくり套路をやります。
24式でしたら、1時間などざらです。
しかし動くと、当たり前のようにすっと動きます。考えないからです。
それを套路で探しているのですね。その深くにある自然の理と、表層にある身体の動きを繋ぐのが気と言われている生体エネルギーです。ゆっくりと動きながら、自然の理が気によって身体を動かすことを修練するのです。神気精の一致と言います。
ゆっくり動くことでそこまで到達すれば、実際に対錬などをして対象があってもその神気精の一致が発揮できる練習は必要です。
しかし、なによりも自らの神気精の一致が無為に起こる域に達することが先決です。
従って、太極拳はよりゆっくり動く単練による錬磨と、同時に、感じるのと同じように早く動く対錬を並行して行うのが理想的と言えます。