太極拳、十三勢とはこのようなもの
哲学者、数学者、科学者など幅広い分野で活躍した学者・思想家として知られているライプニッツは、「昨日を背負い、明日を孕んでいる今日」と時空の観念を表現している。
太極拳は、四正手と四隅手で空間と時間を創造し、中定という自己の存在を主体として、四方を客体として和合した五行で生きる自分の存在を、無尽の縁起的関係を受け入れながら、ミクロからマクロまでの無限の空間と、無始無終の永遠の時間の中心に、その刹那に自分を置いている、壮大な一瞬の輝きである。そして常に有るものでは無く、移り変わっていくもの。… 続きを読む
知られざる手揮琵琶
太極拳の経験を通じて変化する脳
太極拳は、その経験を通じて根本的な生き方が変化します。この変化は、導引法という古代からのタオの修行によって伝承されています。導引法は、人間の心を、人間以前の自然としての生命心のある境地へ連れ戻すことにあります。それは、脳自体の能力を万物の能力に回復させることであり、その生命心の状態を「神=しん」と呼びます。そのような機能と構造をもつ脳は生理である「精=せい」の一部です。その生命心である「神」が万物に存在するエネルギーを使用して「精」を動かします。その時に生まれるエネルギーの動作を「気」と呼びます。「神」が「気」によって「精」を生かせるのです。人間においても、自然においてもそれは同じです。天は天の生命心によって気が動作し自然に宿る精が生きるのです。花の精、石の精、全ては同じ原理です。精は神によって起こされた気の影響を受けて変化していきます。その変化は「易」です。このように、人間は様々な経験をしますが、太極拳の導引は自然の生命心による経験です。その自然の気により精が変化します。すなわち脳や体、血液、リンパなどがその「神」に対応するように変化するのです。体中に巡る神経系も同じように、常に機能的、構造的な変化を起こしていくのです。太極拳はこのような、経験的実証によりそれを古くから発見し、導引術で「神」を、行気で「気」を、房中術で「精」を無為自然に回復します。… 続きを読む
簡化二十四式太極拳について
護身
ひ弱な女性や、年配者にとって、強力な筋肉と打撃力をつけて身を守ることなどナンセンスです。
楊式太極拳と柳生新陰流の「勢法」
武当派の楊式太極拳は勢いを重んじます。十三勢という基本勢があるため、十三勢とも呼ばれます。その勢が形に表れるのを「型」といい、型の連続が套路です。
違和感
違和感。
清々しい命(生命ではなく、刹那の命)、爽やかな性(先天的な人間としての性)、絶対的な理(何の相対的な条件も影響しない理)が丹、それ以外のものを違うと感じる、その違和感です。
美しい真珠を選定するときに、ひたすら美しい真珠を愛でてその命と性、その理を感じ尽くしてから、多くの真珠の中から違和感のあるものを感性で取り除いていく、そして残ったものが高潔な真珠として世に出て行く。
太極拳では、坐道(静坐)や存思(瞑想)でひたすらこの感受性を高めていきます。… 続きを読む
ゆっくり動くことの理と利の一つ
ゴルフの宮里藍の太極拳スイング。
太極拳もこのように套路を練習します。よく見て頂きたいのが、途切れなく一定の速さで動いていることです。呼吸は胎息という呼吸を使うので、動きも乱れません。
いつも気が流れており、スムーズな動きは素晴らしいものです。
少し呼吸と気が途切れているところもありますが、さすがプロですね。
ゆっくり動くことの理と利の一つとして紹介させて頂きました。
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太極拳の武器術
ポピュラーなものは、太極剣、太極刀ですが、これは斬ることが目的の動きになっているので、武器があると素晴らしい武器術になります。しかし、徒手においても掌法を使用して十分使えるのです。この流れは、古式の武当太極拳では、しっかりと八卦掌という型を套路に盛り込み修練していました。今も伝承されています。もちろん王流の套路でもこの流れを失わず、掌法はしっかりと練習します。… 続きを読む