Nature ハイライト:幹細胞の「健康」はオートファジーによって維持される | Nature | Nature Research

 私たちの健康は、太極拳の医武同源の根本にある「整体」という思想においては、ホリズム「全体観」を以て維持されています。

全体観とは、例えば病気だけを取り上げて考えてみると、一つの場所にある疾患は、その場所だけの問題で起こるのでは無く、環境や心を含む全体的な状態で起こっていると考えられています。

このようなホリズムは、世界最古の医学といわれている「シッダ医学」の根本原理であり、その原理はインドから中国に伝わりました。そのためかどうか分かりませんが、シッダ医学のシッダ「特別な能力を持った医師」の一人が、タオの創始者である「老子」になったという説もあるほどで、老子の考えもホリズムの視点に立った全体論です。
もちろん太極拳の根本は太極思想ですから、この思想を根底に持ち、「節節貫穿」という、太極拳の原理をホリズムの立場で唱えています。
節節貫穿とは細胞はもとより、あらゆるものを構成する細部「ミクロ」全てに気勢を貫くことで、それら全てを健康に維持し、その総体「マクロ」である人間全体はもとより、世界全体の健康を維持するという立場です。
このように、私たちの体を構成する幹細胞などの健康を維持すること、それが自分という人間だけでなく、世界全体の健康を維持するという考えにあるのです。

オートファジーは人間が自らの細胞の健康を維持するオートメカニズムです。太極拳の節節貫穿の技法は、収斂と発散などの陰陽技法にあり、拳理に含まれています。
細胞一つ一つの姿を浮かべ、それにまで気勢を届ける。これが節節貫穿です。そして、全体が活き活きとします。これが太極拳です。

幹細胞: 幹細胞の「健康」はオートファジーによって維持されるブックマークNature 543, 76442017年3月9日老化している造血幹細胞(HSC)は、若いHSCと同じように血液細胞を再生することができず、特定の細胞系列に偏った分化が見られるようになる。だがこれまでの研究で、オートファジーが代謝ストレスの影響からHSCを守ることが明らかになっている。E Passeguéたちは今回、HSCでオートファジーが起こらなくなるとミトコンドリアが蓄積し、代謝が亢進して、HSCの自己複製能と再生能が妨げられることを明らかにした。このような変化は老化したHSCで見られる変化と似ているが、老化したHSCの約3分の1ではオートファジーが高レベルで起こり、代謝は抑制状態に保たれて、HSCの再生能力の維持を助けている。

情報源: Nature ハイライト:幹細胞の「健康」はオートファジーによって維持される | Nature | Nature Research

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