楊式太極拳は水の力を使います。沾粘勁(てんねんけい)と言います。
私が王師に一番最初に教えてもらった技は、進歩攔掌(しんぽらんしょう)という技です。
套路にある進歩搬攔捶(しんぽはんらんすい)を練りに練った上で、教わった技です。
何の変哲も無い、相手が顔面を狙うなど手を出してきたら、その手をよけて相手の腹を掌で打つというだけなのです。
その技を私は2度ほど実際に使ったことがあります。言えるのは、相手がある組の組長の用心棒で、少年の時に人を殴り殺したことがある男のことです。相手はその筋ですから、とてもプライドを大事にしていますから、いくらその時逃れても、いつか必ずえらい目に遭わされます。それは、私が若い頃に本当に嫌と言うほど経験済みです。今でもその傷跡でもう取り返しがつきません。… 続きを読む